【読書】西加奈子 『きりこについて』

 猫の表紙の本やで。最初「きりこ」っちゅうんはこの本の表紙におる、ピンクの猫やと思たんやけど、このピンクの猫は「きりこ」とちゃうで。「きりこ」はこの本の主人公で人間の女の子や。それもめちゃめちゃブサイクらしいわ。やけど、あまりにブサイクすぎて周りがかわいそうに思て、本人に本当のこと言いよらん。両親なんか「かわいい、かわいい」言うて、きりこは「自分はめっさかわいいんや」と勘違いしよるし、きりこの周りの子供も酔っ払ったみたいに「きりこちゃんはかわいいのかもしれんへん!」とへべれけ酩酊、前後不覚後でかわいいもんやと信じてしもとるんや。で、きりこがこうとる猫がおんねんけど、その猫がラムセス2世っちゅうけったいな名前で、黒猫やねん。表紙みたいにピンクちゃうんかい、って思たやろ。安心し、うちも思たわ。

 何がすごいって、このラムセス2世っちゅう猫は大阪弁しゃべりよんねん。すごない?猫が大阪弁しゃべるんやで?我輩もびっくりです。

 うちが西日本出身やからか知らんけど、この文章のテンポは心地ええし、小気味ええわ。関西弁を聞きなれとらん人はどう思うんやろ?読みづらい?

 

 

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...