【読書】長野 まゆみ『猫道楽』

 本のジャンルがかぶってしまうのがずっと悩みでした。2015年は今まで読んだことのない作品・作家を読もう!と決めました。なかなか、ジャンルがかぶらないようにするのは難しく、本屋に行くと結局同じ作家やシリーズを手のしてしまう。そんなとき、「表紙買い」しようと思いついたのです。CDをジャケットの良さで買うときの通称「ジャケ買い」と同じで、小説も表紙買いしようと、そして表紙は猫が出てくるものにしようと決めてみました。

 

猫道楽 (河出文庫)

猫道楽 (河出文庫)

 

  手にとったのが本書です。表紙の「猫買い」で吉と出たのか凶と出たのか読後の今でも分かりませんが、私にとって全く新しいジャンルの本であることは間違いありません。

  

 猫シッター募集の求人に応募した大学生の主人公から物語は始まります。桜の古木のある「猫飼亭」という和風の家に住み込みで働くことになった梓一郎。三毛猫の牡と言われて、雇われることになりました。

なんて面してるんだよ。我家は口約束だと云っただろう。

                                                               『猫道楽』p.p 33

  描写される「猫飼亭」内部の様子が大正時代の遊郭のようで、主人公たちの耽美的なやりとりを一層ひきたてているなと思いました。

 

 

 

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