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【読書】W.B.イェイツ『ケルト妖精物語』

海外文学 読書

 2015年はイェイツ生誕150年です。イェイツの出身地アイルランドではたくさんのイベントが催されているようです

Yeats 2015

イェイツはノーベル文学賞を受賞した作家でもあります。

 

ケルト妖精物語 (ちくま文庫)

ケルト妖精物語 (ちくま文庫)

 

  西アイルランドの伝承をまとめたものが本書になっています。英国の植民地だったアイルランドゲール語アイルランド土着の言語)が消滅しそうになっているとき、言語とともに失われそうになっていた民間伝承や民俗神話を英語に書き直してまとめたのが本書にあたります。ハリー・ポッターででてきた「バンシー」やアニメで黒いバイクを乗り回している「デュラハン」、人魚かと思われる「メロウ」などアイルランドの人々が見た、聞いたものをまとめているのです。 

 妖精と言っても、かわいいものでなく見た目は醜いことになっています。妖精のいたずらもかわいいものではなく、人間にとっては理不尽なことばかりです。バンシーは家に死者が出ることを知らせるために金切り声をあげたり、デュラハンも家に死者が出るとき盥いっぱいの血をあびせたり、人の背中に死体を背負わせたり、もうむちゃくちゃです。中には不真面目だった若者が妖精たちにこてんぱにされ、改心するという話もあります。人間の子どもを妖精の子どもと取り替えたり、さらったりもします。イェイツの詩集の中には、さらわれた子どもの詩が収蔵されています。 

対訳 イェイツ詩集 (岩波文庫)

対訳 イェイツ詩集 (岩波文庫)

 

 

 日本の瘤取り爺さんと良く似た伝承もありました。

背中に瘤のある若者が、街へ行った帰り遅くなって野宿していると妖精たちが歌って、踊っているところにでくわします。妖精の歌をアレンジして若者が歌うと、たいそう妖精たちは喜び、若者の瘤をとってやります。そして村へ帰った若者はみんなにその話をするのです。それを聞いた、瘤のある別の若者は妖精に瘤を取ってもらおうと妖精の歌や踊りに参加するのですが、その歌を聴いて妖精は激怒。リズムが台無しにされたといって、瘤をその男につけてしまいます。こうして瘤男は2つの瘤を背中に背負うことになってしまいました。

 

 

 さらに、この瘤をつけられた男は瘤の重みで死んでしまいます。かなり理不尽ですね。

 

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