【読書】北野勇作『レイコちゃんと蒲鉾工場』

  読みたい本のリストにいつのまにか入っていた本でした。読みたい本リストを作ったのは自分自身のはずなのに、自分でこの本をリストに入れた記憶がありません。今では、蒲鉾の仕業い違いないと思っています。

レイコちゃんと蒲鉾工場 (光文社文庫)

レイコちゃんと蒲鉾工場 (光文社文庫)

 

  主人公は蒲鉾工場で働く青年。蒲鉾に

 

 

犯人ーと呼ぶべきかどうかはわからないのだが、ようするに出子山係長を誘拐した蒲鉾ーは、ここで作られていた試作品の中でも、その「極めて特殊」な部類に入るであろう特製自走式特殊蒲鉾と呼ばれものだった。

 なにしろ板の下に取り付けられた車輪で自走するという外見上の自走だけではなく、さらにその板の上に載っている蛋白質組織の中のソフトウェアも状況に応じて自走するというのだから。

  いったい、どんな蒲鉾なんだ?というツッコミをいれつつ、蒲鉾って怖い、と思いながら読みました。

 この作品はSF不条理小説とでも言うのでしょうか。不条理小説が好きなかたにはもってこいの作品だと思います。題名のレイコちゃんも読者を不条理のかなたへ導いてくれるでしょう。

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