【読書】吉川英治 『三国志』

  中学生のとき、学校の図書館に横光三国志がおいてありました。マンガであったので同級生の男子はよく読んでいたように思います。自分もそれを手にとり、読んでみたものの、新たなキャラクターが登場するたびに名前と顔が一致できずに誰が誰だかわからなくなって読むのをあきらめてしまいました。それ以来、三国志を読んだことはありません。孔明関羽は味方同士だっけ?というレベルの認識しかありませんでした。電子書籍で全巻合体版が販売されており購入してよんでみることにした。

 かなりのボリューム。電子書籍になると本の厚みが感じられないのでボリュームがダウンロード時には分からないのですが、読んでも読んでも終わらない!それでも、文字だけで読んだほうが自分にはあっているみたいで、最期まで話が混乱せずに読み通せました。

 漢文をそのまま写したものや、書き下し文にしたものを載せていることもあり、とっつきにくさはありますが、漢文をそのまま載せることで言葉の響きが堅牢になり歯切れ良く、三国志にふさわしい感じがします。劉備孔明の亡き後はかなり駆け足でその後の魏呉蜀を説明しています。

 中国の原作『三国志演義』では晋が三国を統一するまでをつぶさに書いているらしいが、本作の吉川「三国志」では孔明没後はその後の蜀や魏を軽く解説して終わっています。

 

おそらくは読者諸氏もそうであろうが、訳者もまた、孔明の死後となると、とみに筆を呵す興味も気力も希薄となるのを如何ともし難い。これは読者と筆者たるを問わず古来から三国志にたいする一般的な通年のようでもある。

 次は、平家物語にしようかな。

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